感染再拡大防止のため、蘇州高新区にて新型コロナ緊急対応演習を実施

 11月17日午後、新型コロナウイルス感染症の再拡大を防止するため、蘇州高新区にて感染症発生時の緊急対応演習を行った。

緊急時対応・事例紹介

 9月8日16時頃、蘇州高新区疾病預防控制中心(感染症対策センター)はY区同センターから緊急連絡で濃厚接触者に関する調査協力依頼を受けた。報告によると、Y区在住の無症状感染者呉氏への濃厚接触者として、高新区獅山横塘街道在住の趙氏(15歳、女性)がいることが分かり、9月6日に接触したという。

 9月9日早朝、高新区疾病預防控制中心は趙氏および管轄内の隔離管理対象となる第1の濃厚接触者、合計38名に対して咽頭ぬぐい液の採取を行い、同日13時に蘇州市疾病預防控制中心で検査を行った結果、趙氏の陽性が判明し、第1の濃厚接触者は全員陰性だったという。

 それを受けて演習において、感染者対応、第1の濃厚接触者の情報把握・管理、第1の濃厚接触者への第2の濃厚接触者情報把握・管理社会的予防制御、感染終息へ向けたシミュレーションといった5つの項目が含まれている。

 常態化されたピンポイント予防制御と地域の緊急時対応策との緊密なオペレーションの要請をさらに推し進めるうえで、科学的で規範的に秩序よく新型コロナウイルス感染症の予防対策を施し、緊急対応マニュアルを作成し、緊急対応支援チームのスキルアップやより迅速な対応能力を目指すことを目的としている。

演習現場の様子

シナリオ1:感染者対応

 高新区疾病預防控制中心は、蘇州市疾病預防控制中心から濃厚接触者である趙氏の陽性結果報告を受けた直後に、本区感染症対策課預防控制班に報告した。また、集中隔離医学観察施設に連絡した。

 預防控制班が本区感染症対策課に報告した後、対策課は緊急対応策を講じ、関係部署に迅速な対応を図るよう要請した。

シナリオ2:第1の濃厚接触者情報把握・管理

 国家衛生健康委員会『新型肺炎予防対策案(第7版)』を参照しつつ、趙氏への第1の濃厚接触者は、検体検査を受ける2日前から予防措置を取らずに趙氏と密接に接触したことのある者と想定した。

 高新区疾病預防控制中心は最短の時間で趙氏への第1の濃厚接触者の情報を把握し、また集中隔離施設において第1の濃厚接触者に対する医学的観察を行い、定期的にPCR検査を実施するようにした。

シナリオ3:第1の濃厚接触者への第2の濃厚接触者情報把握・管理

 第1の濃厚接触者への第2の濃厚接触者に対する集中隔離観察は、国家衛生健康委員会による『新型肺炎予防対策案(第7版)』に新たに追加された要請である。
 本案によると、趙氏の場合、第1の濃厚接触者への第2の濃厚接触者とは、第1の濃厚接触者と趙氏との最初の接触から集中的な医学的観察を受けるまでの間、予防措置を取らずに第1の濃厚接触者と密接に接触したことのある者と定義される。

 趙氏への第1の濃厚接触者を特定した後、高新区疾病預防控制中心は速やかに獅山街道の衛生サービスセンターと提携し、クラスター情報管理を行った。

シナリオ4:社会的予防制御

 趙氏に対して濃厚接触歴を含む疫学的な調査を行うと同時に、高新区感染症対策課が蘇州市感染症対策課に本件の進捗状況を報告し、リスク評価を含む対策を立てた。すべての対策は『蘇州高新区秋冬新型肺炎感染予防対策案』の要請に基づいて実行された。

シナリオ5:感染終息へ向けたシミュレーション

 趙氏への第1の濃厚接触者は全員医学的観察や、PCR検査を受け、いずれも異常がなかったという。
 趙氏は指定病院に入院した後、無症状感染者と診断され、入院治療とPCR検査を2回連続で受けたところ、陰性と判明し、退院した。

 退院後も、趙氏は14日間の隔離観察と2回にわたるPCR検査を受け、いずれも異常なしと隔離を終えた。また趙氏への濃厚接触者も無事隔離観察を解除され、趙氏が在学する学校やお住まいの団地において新たに感染者が出ていないことで、今回は感染をおさえることができたと判断され、学校は2週間ぶりに授業を再開した。

 その他、同日午後には2020年蘇州高新区医療機関入院中の新型コロナ陽性者対象の緊急対応演習を行った。

 

 以下は、当日の演習に対する専門家のコメントである。

◆蘇州市衛生健康委員会疾病預防控制部部長 王海涛氏

 演習は、各部署の協力によりスムーズに行われ、期待された通りの成果をあげた。これで、秋冬にわたる新型コロナ感染再拡大に向けてしっかりとした準備ができたと信じている。

◆蘇州市衛生健康委員会医療管理部部長 馬鬱氏

 演習では、高新区の緊急事態に対処するための能力や、各部署間における良好な協力関係を示してくれた。緊急対応チームが「実戦経験」を積んだだけでなく、各部署も危機意識、責任意識や役割意識をさらに高めた。

◆蘇州市疾病預防控制中心副所長 楊海平氏

 演習の参加者は、全員エネルギッシュで模範的な対応を通して、優れた素質や緊急対応能力を見せてくれた。高新区の新型コロナウイルス感染症に対する緊急対応メカニズムの有効性、効率化された業務管理や、緊急対応チームの実務レベルをさら検証し、感染予防の確固たる基盤を確立することができた。

当面の間、新型コロナウイルス感染症の完全終息が実現困難であり、
「闘い」がまだ続いており、
「試練」がまだ終わっていない。
蘇州高新区は弛むことなく感染予防対策を徹底的に行い、
今冬から来春にかけての、感染の再拡大が懸念されるこの時期を乗り越えることを誓う。