蘇州高新区、「中国本土本社ビジネス」をめぐり重点産業の振興を加速

 12月24日、数億元規模の国家レベル基金運営組織「国家サービス貿易新発展引導基金南方運営本社」が蘇州高新区にて設立され、中央と地方との連携を強化し、金融におけるエンパワーメントを発揮することで、高新区の重点振興産業である「2+6+X」※の現代型産業の発展、技術供給と成果創出を着実に進めています。同日には、藍蕊半導体材料(上海)有限公司の蘇州高新区本社プロジェクトの契約締結式も行われ、半導体産業における中国・ヨーロッパの連携拠点として、当区に本社を設立することも発表されました。江蘇省商務庁が12月22日に発表した「2021年度江蘇省グローバル企業の地区本社及び機能部門の培育庫(成長支援)企業」、合計273社の内、蘇州高新区の企業が32社含まれています。

※「2+6+X」とは、二つの主要産業(次世代情報技術とハイエンド製造)、六つの新興産業(医療機器とバイオ医薬品、新エネ、集積回路、航空工学、ビッグデータ、現代型サービス)及び複数の未来産業(ブロックチェーン、人工知能、量子科学技術、次世代インターネット、先端素材、付加製造)という高新区の重点振興産業を指します。

 企業本社集積地の構築

 蘇州高新区は企業本社の誘致に力を入れています。優れたビジネス環境を企業に提供し、支援サービスを向上させることで、「本社ビジネス」という高度成長のキーワードをめぐり、企業本社の集積地を構築・発展しています。

 今年に入ってから、Knorr-Bremse商用車用システム 中国R&Dセンター、パレクセル中国臨床サプライセンター、PIOVANアジア本社、Cloudbreak Therapeuticsグローバル本社、深セン兆威電機長江デルタ本社など、国内外の大手企業の当区への本社移転や新設、機能強化の動きが相次いでいます。

企業本社の集積地
Knorr-Bremse商用車用システム 中国R&Dセンター、パレクセル中国臨床サプライセンター、PIOVANアジア本社、Cloudbreak Therapeuticsグローバル本社、深セン兆威電機長江デルタ本社

 当区は、新規企業を誘致するだけではなく、既存企業の発展への支援も大切に実施しています。1994年に設立された蘇州シーメンス電器有限公司は、今年の10月からシーメンス電気製品中国本社に格上げされ、実際の本社業務が開始されています。同社は、事業開発、製品管理、デジタル・イノベーション・センター、研究開発及び製造を含む自社完結型バリューチェーンを構築したうえで、中国におけるシーメンス電気製品の全事業を担当し、世界20カ国以上に製品を輸出しています。蘇州シーメンス電器有限公司が中国本社に格上げされたことは、高新区による支援によって企業ポテンシャルを引き出した結果です。

Knorr-Bremse商用車用システム 中国R&Dセンター、パレクセル中国臨床サプライセンター、PIOVANアジア本社、Cloudbreak Therapeuticsグローバル本社、深セン兆威電機長江デルタ本社

 また、長江デルタ初のテンセントデジタル産業基地の着工式が今年の9月末に高新区にて行われ、2025年末に竣工する予定です。総投資額が80億元を超えたテンセント(蘇州)デジタル産業基地は、高新区六つの新興産業の一つであるビッグデータ産業のシンボルとして、「2+6+X」という高新区の現代型発展システムには、とても重要な一部分となっています。

テンセント 長江デルタ初 デジタル産業基地

 企業本社に特化した施設

 「中国本土本社ビジネス」の発展には、企業の本社プロジェクトに相応しい施設がとても重要です。現在工事中の「獅山商務創新区上場企業本社パーク」(本社パーク)は高新区に進出する企業本社に向けた施設エリアです。最近、本社パークのK02、K05エリアでは、一部建物の地下1階の工事が進んでおり、12月末に地下の主要部分が完了、来年の1月に地上工事が開始される予定です。K02、K05エリアは汾湖路の西、馬市路の南に位置し、研究開発ビル、公園、公共の駐車場などを含め、総投資額は11.9億元となっています。

 高新区の企業支援政策

 高新区は江蘇省、蘇州市の政策を着実に遂行したうえで、当区の状況を考慮しつつ、2018年には「高新区本社ビジネス政策」と「ビル経済政策及び実施詳細」を打ち出し、現在も引き続き企業本社の進出、発展、人材採用、施設などの面で支援しています。

高新区

・蘇州高新区「産業強鏈(強い産業チェーン)」三年行動計画(2021-2023)の発表

 今年、高新区政府は「産業強鏈」三年行動計画(2021-2023)を打ち出しました。世界トップ企業の誘致を加速させ、全産業チェーンを構築、補完、強化、拡大することは高新区の重要任務であることが改めて強調されました。各分野をリードする重点プロジェクトの誘致に力を入れ、国内外大手企業の当区における本社新設や研究開発センター設立などを全力で支援しています。

・蘇州高新区「双引領計画(二つのリード)」の発表

 今年の11月、「双引領計画」も当区にて発表されました。当計画には、科学技術イノベーション型の企業に向けた支援政策(領航計画)と上場を目指す企業への支援政策という二つの部分があります。最も優れた成長環境と施設などの支援サービスを企業の皆様に提供することで、中小企業、ガゼル、ユニコーン、上場企業への段階的なサポートシステムを構築しています。今後3年以内に、当区は100億元の投資や企業施設用地300万平米の新設など、企業の成長サポートに全力を尽くすことで、国家レベル高新技術企業数2200の実現を目指しています。

 また、高新区企業サービスセンターも今年の1月に設立されました。江蘇省において初めての「審査+サービス」という企業に向けた一体化サービスシステムで、企業が成長する全ての段階のニーズに対応し、本社プロジェクトの誘致に力を入れています。

企業サービスセンター

 各産業をリードする大手企業の進出は、地域全体の新興産業の発展に先導的な役割を果たすことで、企業やプロジェクトの更なる投資と人材、技術が高新区への集中を促進しています。高新区は引き続き、区内産業のアップグレードを進め、高新区全体の総合競争力を向上させるよう努めています。

 本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますとともに、

 来年も変わらぬお引き立てのほど宜しくお願い申し上げます。