中国ーラオス 国際貨物列車、
「蘇州・ヴィエンチャン」第1便が出発
1月11日、「蘇州・ヴィエンチャン」国際貨物列車の第1便が、ラオスの首都・ヴィエンチャンに向けて、蘇州西駅から出発しました。同列車には、蘇州保税区※及び江蘇省内各地のハイテク産業企業が生産した、総額約5,000万人民元(約9億180万円)の液晶ディスプレイ、無線基地局チャネル送受信ユニット(Wireless Base Station Transceiver Unit)、自動車部品などの貨物が積載され、高新区企業の製品も多数含まれています。
※ 保税区(Bonded Area)とは、中国の税関により設置、あるいは税関が認可して設置された特別経済区域のことで、主な機能としては「保税保管、輸出加工、中継貿易」の3つがあります。
この列車は、1月1日に「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が発効されて以来、長江デルタにおける初のラオスに向かう国際貨物列車となっており、中国製品の輸出において先導的な役割を果たしています。蘇州からビエンチャンに向かう第1便の国際貨物列車として、1月12日のCCTVニュースでも報道されました。
・輸送時間の短縮
「中国・ラオス鉄道」をベースにした「蘇州・ヴィエンチャン」国際貨物列車は、蘇州から6日間でラオスのヴィエンチャン駅に直接到着する予定です。その後、ラオスを経由してベトナム、マレーシア、タイなど東南アジアのお客様の倉庫へ商品が順次配送されます。
中国・ラオス路線は、蘇州におけるヨーロッパ線と中央アジア・中国・ロシア線の安定運行に伴って開通されました。同路線の開通は、東南アジア諸国と中国、ヨーロッパ間の貨物輸送時間を短縮させるだけでなく、「中国・ヨーロッパ」貨物列車(中欧班列)を利用し、東南アジアとヨーロッパの商品を江蘇省で中継することで、相互の経済・貿易交流を促進しており、東南アジアとの連携及び「一帯一路」の建設を進め、江蘇省および長江デルタの対外貿易の発展に力を入れていきます。
今後、中国ーラオス鉄道は徐々に週1便の定期運行に移行し、安定した国際物流路線となる見通しです。
・輸送コストの削減
高新区企業の蘇州佳世達電通有限公司は、同列車の主要荷主の一つであり、今回は総額30万米ドルの液晶ディスプレイをヴィエンチャン経由でマレーシアに発送しました。以前、蘇州と東南アジア諸国との貿易は、主に空路、水路で行われていたが、中・ラオス鉄道の開通により、大容量、短サイクルなど鉄道輸送の利点が発揮されるようになりました。
蘇州佳世達電通有限公司輸出入部の経理・徐海明によると、航空輸送は時間的に3日間しかかからないものの、運賃は鉄道の3倍以上になります。 コロナ感染症拡大の影響で、特にこの1年間では航空輸送のコストが高く、時間的な保証もできません。総合的に考えると、鉄道輸送はサービスや納期が保証されており、海上輸送より多少割高ではあるが、輸送時間が短く、ヴィエンチャンまで6〜7日、マレーシアまで10日ほどで到着できます。徐海明は「中欧列車の開通後、当社はヨーロッパへ製品を輸出し、事業を展開しております。今回の「蘇州・ヴィエンチャン」国際貨物列車の開通をきっかけに、南アジア市場にも進出していきます。」と話しました。
RCEPの発効により、原産地規則を利用して、アジア太平洋地域における生産とサプライチェーンの再構築を計画する蘇州及び周辺地域の企業は多数あります。「蘇州・ヴィエンチャン」国際貨物列車は、企業の皆様に低コストで高品質な物流サービスを提供していきます。
・国際貿易の中継輸送拠点
「蘇州・ヴィエンチャン」国際貨物列車の第1便には、蘇州企業2社と周辺地域企業2社の製品が積載されました。 中国・ヨーロッパ線と中国・ラオス線を活用し、蘇州市は国際貿易の一環として、より重要な役割を果たしていきます。東南アジア市場では、蘇州の関連原材料と製品の需要が高まっているだけでなく、将来的には、東南アジアのゴム製品が「蘇州・ヴィエンチャン」国際貨物列車で蘇州に輸送され、トランジットして中国各地に配送されることもできるようになります。
蘇州は中国・ヨーロッパを結ぶ「中欧班列」の重要な一環として、ヨーロッパ路線を十年間ほど運行してきました。ラオス線路の開通は、東南アジアの貨物が蘇州で中継されることを可能にし、ヨーロッパと東南アジアの経済交流を促進しております。蘇州は改革開放及び輸出入の発展を着実に進めており、今後は新たな中継輸送拠点として、ヨーロッパと東南アジア間の安全かつ円滑な貿易を実現する為により重要な役割を果たしていきます。