富士フイルム最先端
「Innovation & Collaboration Center」を蘇州高新区に新設

　12月1日、富士フイルム欧文生物技術（蘇州）有限公司（FUJIFILM Irvine Scientific, Suzhou）の営業許可証授与式及び新拠点「Innovation & Collaboration Center」(以下「ICC」)の設立式典が高新区にて行われた。

　今回新設されたICCは、FUJIFILM Irvine Scientificグループが今年投資した最も重要な中国国内プロジェクトの一つであり、世界最先端の細胞培養技術を活用し、より効率的な抗体産生など細胞の機能発現の最大化に向けて培地の処方を最適化するサービスを提供して行く。

　親会社である富士フイルム（中国）投資有限公司の総裁・田中健一氏、富士フィルム欧文生物技術（蘇州）有限公司の総経理・品川渉氏が式典に参列し、政府側からは、蘇州高新区党工委副書記、虎丘区区長代理・宋長宝、区幹部の虞美華、盧潮が式典に出席した。

富士フイルム・Innovation & Collaboration Center

　ICCは富士フイルム株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長・CEO：後藤禎一）が蘇州高新区に新設する培地のカスタマイズサービス拠点であり、初期投資は1,950万人民元となっている。

　富士フイルム株式会社は医療健康、高性能材料、映像機器と商業イノベーションなどの分野において多様な取り組みがあり、傘下のFUJIFILM Irvine Scientific Inc.も細胞培養技術の開発に注力しており、医療用培養基と検査等の培養基の生産が主要な業務となり、世界中のバイオ医薬品やワクチンなどの生産に大きな貢献を果たしてきた。同社は世界トップレベルの液状・粉末状培養基の生産ラインは既にカリフォルニア、東京とオランダにあり、培養基の生産能力は世界第4位である。

各代表挨拶

　富士フイルム（中国）投資有限公司の総裁・田中健一氏は「ICCは富士フイルム生命科学業務のとても重要な一環であります。富士フイルムの強みである研究開発能力と品質・量の分析能力を活かし、培地の処方を最適化するサービスを提供していきます。今後、当社は中国でも培地のカスタマイズサービスを展開するとともに、中国における営業・技術サポート体制を一層強化することで、遠距離医療とレベル別医療の実現を目指しています。また、富士フィルム欧文生物技術（蘇州）有限公司及びICCは生命科学分野における強みを生かし、中国のバイオ医薬企業の発展にも協力していきます。」と述べた。

　蘇州高新区党工委副書記、虎丘区区長代理・宋長宝は「富士フイルム株式会社は1995年に高新区に映像機器有限公司を設立してから、長い間高新区の経済成長に貢献してきました。特に近年、富士フイルムは独自の技術的優位性を発揮し、多元化への転向を積極的に行い、予防、診断、治療など医療健康分野において著しい発展を遂げました。今回、ICCが設立されたことは、富士フイルム株式会社が今後も引き続き高新区と共に発展に向かっていくことを示しており、中国市場のバイオ医薬業界での更なる発展を目指していることも認識しています。高新区はこれからも、企業の皆様を全力で支援していきます。企業と高新区は共に成長し、バイオ医薬・医療機器産業国内一流の集積地となること期待しています。」と話した。

　富士フイルム欧文生物技術（蘇州）有限公司の総経理・品川渉氏は「ICCの設立には高新区から強力な支援を頂きました。ICCは富士フイルム本社の技術的優位性をもとに、細胞培養製品の開発及び生産に注力しつつ、他の関連技術プロジェクトの進出も推進していきたいと思います。今後も、バイオ医薬企業に最適化するサービスを提供していくと同時に、中国のバイオ医薬産業チェーンのより良い発展に力を入れていきます。」と語った。

高新区では

　蘇州高新区は、1990年設立以来30年にわたり、開放的な発展を続けていて、現在合計2,000社近くの外資系企業が集まり、その内日本企業652社が含まれ、蘇州にある日本企業の3分の1を占めしています。その累計投資額は200億米ドルに達し、省内で最初の「日中韓産業協力模範区」の一つとなり、且つ中国で唯一の「日中グリーン産業イノベーション協力模範区」としても認定されています。

　現在、蘇州高新区は、江蘇省唯一の医療機器産業発展の国家レベル重点ハイテク産業開発区として、「一号（最重要）産業」であるバイオ医薬産業に注力しつつ、資源、政策などの面で全力を尽くし、世界有数、国内一流な医療機器及びバイオ医薬産業の集積地の構築と発展を進めていきます。