デジタル人民元、上海ー蘇州間相互利用で観光促進 GWに向けて
デジタル人民元の試行対象に選ばれた蘇州は、ゴールデンウィーク※に向けて、隣町である上海との相互利用を可能としたことで、デジタル人民元の普及や両市とその周辺地域の観光促進を行います。
※中国のゴールデンウィークは、5月1日の「労働節」から始まる連休のことを言います。2000年~2007年は7連休となっていましたが、現在は5月1日~3日までの3連休に設定されています。
デジタル人民元専用のスマホアプリをダウンロードし使用すれば、便利なスマホ決済が利用できるほか、蘇州が主催する「五五」ショッピングイベントに参加している店舗では割引価格で買い物や宿泊等ができます。
デジタル人民元の試行
昨年4月、中国政府(商務部)はデジタル人民元の試行を行うと発表しました。試行対象となったのは、広東省深圳市、蘇州、新首都としてスマートシティの機能を充実させている北京の雄安新区、そして四川省の成都の4か所です。
その後、蘇州は中国人民銀行デジタル貨幣研究所と提携し、揚子江デルタ・デジタル貨幣研究院、揚子江デルタ・Fintech有限公司、揚子江デルタ・デジタルファイナンスデータセンターといったプラットフォームを当市に誘致し、デジタル人民元の試行に取り組んできました。
昨年12月に行われた「双12蘇州ショッピングイベント」では、デジタル人民元の普及を図るには、2000万元(約3億3千万円)分のデジタル人民元クーポンを配布しました。利用可能な店舗は1万軒に上り、阿里巴巴に次ぐネット通販大手京東も参加しました。
今年初め、蘇州は「デジタル人民元・蘇州年貨節京東フェスタ」イベントを主催し、3000万元(約5億円)分のデジタル人民元クーポンを配布したことで、蘇州でのデジタル人民元の普及をさらに進めました。
今回、「五五」ショッピングイベント期間中は、実際のシチュエーションや使用方法をめぐり試行錯誤を行った上で、デジタル人民元のさらなる普及を目指しています。