富士フイルム最新拠点・蘇州高新区にて正式開業

 4月8日、富士フイルム欧文生物技術(蘇州)有限公司(FUJIFILM Irvine Scientific, Suzhou)の培地カスタマイズサービス拠点「イノベーション&コラボレーション センター」(Innovation & Collaboration Center、以下「ICC」)が蘇州高新区において正式に業務が開始された。

 ICCにはハイスループット型バイオリアクター(High-throughput Bioreactor)とバイオアナライザ(Bioanalyzer)などの最先端設備を導入し、中国における培地の開発とMDOサービス(Media Development and Optimization)を提供することで、高まる培地需要に対応するための生産能力増強を積極的に進めていく方針である。

 富士フイルムICCについて

 1970年以来、FUJIFILM Irvine Scientificは世界中の顧客に高品質な細胞培養用培地及びカスタム培地ソリューションを提供しており、その大規模の商業生産もサポートしてきた。既製品をもとに、最適化されたカスタム処方により培地ソリューションを更に強化し、生産規模拡大及び品質向上を目指している。

 培地はバイオ医薬にとって不可欠な原材料の一つであり、世界トップ20の製薬会社のうち15社が富士フイルムと長期的かつ安定的に協力している。2020年に新型コロナウイルスが発生してから、中国における培地の需要が急増し、これからも毎年20%増の見込みで、10年以内に中国が富士フイルム生命科学事業の世界第三の市場になることが予測されている。

「中国は富士フイルムにとってとても重要な市場であります。当社はICCが提供するカスタムソリューションを通し、お客様の医薬品開発と関連サポートのニーズに応え積極的な役割を果たしていきたいと思っており、生産能力をさらに高め、高品質・高機能な培地を長期・安定で提供していきます。」

富士フイルム株式会社生命科学事業部部長
FUJIFILM Irvine Scientific董事長兼CEO・山口豊氏

Q:「富士フイルムは中国になぜICCを開設したのですか。」

A:「中国では培地の需要は毎年20%で急増しています。2030年まで、中国はアメリカ、ヨーロッパの次、富士フイルム生命科学事業の世界第三の市場になる見込みです。また、中国の医薬品開発市場が拡大しており、お客様は早期段階から大規模生産に相応しい培地を使用するニーズが高まっており、ICCを情報収集の基地として、お客様の需要に応じて迅速かつ最適化された培地ソリューションを提供することで、中国における事業を拡大していきます。」

Q:「ICCはどんなサービスを中国現地の顧客に提供できますか。」

A:「ICCは、当社の「中国に位置、中国に貢献」戦略の重要な一部です。同センターはお客様の細胞培養用培地の開発と最適化を支援するために設立され、培地開発、培地最適化、培地開発全般のサービスを提供することが可能です。 ICCはハイスループットかつ自動化された細胞培養および培地分析機器を備えており、お客様により適切な培地ソリューションを提供したいと思っております。」

 サービスの種類と内容

・MSP(Media Survey Panel):厳選された培地パネルの初期テスト(Fed-bacthとPerfusion型の培地が利用可能)。

・MOP(Media Optimization Panel):特定の培地に対するカスタマイズ開発・最適化を行う。

・CS(Complete Services):リアクターによる小規模な細胞培養の評価も含む。

詳細:https://www.irvinesci.com/media-development-optimization(英語)

 富士フイルムと蘇州高新区

 2021年12月1日、富士フイルム欧文生物技術(蘇州)有限公司(FUJIFILM Irvine Scientific, Suzhou)の営業許可証授与式及びICCの設立式典が高新区にて行われた。富士フイルム株式会社は1995年に高新区に映像機器有限公司を設立してから、長期にわたり高新区と共に成長してきた。特に近年、富士フイルムは独自の技術的優位性を発揮し、多元化への転向を積極的に行い、予防、診断、治療など医療健康分野において著しい発展を遂げている。

ICC設立式典の様子

設立式典:https://snd-jp.com/2021-fuji-film-irvine-scientific-suzhou/

 蘇州高新区は、1990年設立以来30年にわたり、開放的な発展を続けていて、現在合計2,000社近くの外資系企業が集まり、その内日本企業652社が含まれ、蘇州にある日本企業の3分の1を占めしています。その累計投資額は105億米ドルに達し、省内で最初の「日中韓産業協力模範区」の一つとなり、且つ中国で唯一の「日中グリーン産業イノベーション協力模範区」としても認定されています。 

 引き続き、企業の皆様を支援して参ります。