“中国械谷”建設に向けて
「第一号産業」振興加速化
1月29日、蘇州高新区にて「医療機器及びバイオ医薬産業振興事業関係者会議」が開催された。
会には、高新区党工委副書記兼虎丘区区長毛偉、区リーダー高暁東、陳明、陶冠紅、虞美華が出席した。
同会の報道資料によると、区における医療機器及びバイオ医薬企業が約400社あり、2020年度生産額は200億元となる見通しであるという。
会では、「産業基盤の強化、産業チェーンのモダン化(最適化)」というミッションに応じて、医療機器産業振興の新しいチャンスをしっかりとつかみ、全力で”中国械谷(医療機器のバレー)”を作ろうという目標が設定された。
また、区科創局が2020年度全区医療機器及びバイオ医薬産業振興事業の進捗状況を報告した。
1.先導型産業計画の強化
2020年4月、『蘇州高新区医療機器及びバイオ医薬産業発展三年行動計画(2020-2022年)』が発表されると同時に、高新区医療機器及びバイオ医薬産業推進班や蘇州市医療機器産業振興会社が発足された。当該関係者による高新区医療機器産業振興大会が開かれ、初歩的な産業チェーン「8つの一」事業推進システムが設立された。
2.産業の健全な発展の促進
産業プロジェクト誘致
2020年全区で新規に設立された医療機器及びバイオ医薬企業が邁得諾医療(北京)、青松医薬、RAYKEENなどの先端医療機器プロジェクトや、怡道生物、MICOT、浦和医薬などのバイオ医薬プロジェクトを含め、計100社を上回り、新規投資の総額が40億元弱に達した。
産業政策支援
『蘇州高新区医療機器及び生物医薬産業振興に関する施策』の実施により、
付帯事業に関する政策支援が強化され、リーディングスタッフ、優良企業育成、フィンテック(金融×テクノロジー)といった十数項のテクノロジー政策が改正された。
さらに、産業プロジェクト支援が強化され、江蘇省医療器械産業技術イノベーション創出センターによって2回にわたりプロジェクトの選抜が行われ、最終的に入選された6つのイノベーション型プロジェクトや2つの公共サービスプラットフォーム型プロジェクトに対して、総額1600万円の設立支援金を交付するという。
産業イノベーション発展
これまでに高新区内の医療機器製品新規登録数は100件を超え、そのうちCE、FDA認証取得数は30件以上となっている。
蘇州無双医療設備有限公司などの企業3社が蘇南自創区におけるポテンシャル(潜在的)ユニコーン企業として、諾一邁尓(蘇州)医学科学技術有限公司などの企業3社が蘇州市ユニコーン育成企業として認定され、科塞尓医療科学技術(蘇州)有限公司の(下)大静脈フィルター製品が中国国家薬監局の「グリーンゲート(無申告ルート)」リストに入選された。
区内には産業領域における先端技術企業28社が創業しており、省級以上の工程技術研究センター5か所が新規に設立された。
産業成果活用
蘇州康多ロボット有限公司が2020年度江蘇省テクノロジー成果活用特定基金1000万円を交付された。
諾一邁尓(蘇州)医学科学技術有限公司などの企業5社が蘇州市テクノロジー成果活用プロジェクトに入選された。
迪泰医学科学技術(蘇州)有限公司などの企業36社が2020年度蘇州市バイオ医薬政策支援型プロジェクトに入選され、総額が1855万元に達する支援金を交付され、蘇州高新区は蘇州市内の工業区では2位となった。
3.産業エコシステムの改善
専門施設建設
敷地面積28万平米の江蘇省医療機器科学技術企業インキュベーション施設が建設され、運営を開始した。
区画の敷地面積が3.61平方キロメートルの生命健康小町の建築工事が加速し、第一期の建築面積4万平米の施設がすでに完工したほか、第二期の8万平米の施設が2021年内に運営開始予定。
高度人材受入(※「省双創」=「江蘇省起業・イノベーション創出人材(チーム)」)
2020年に医療分野における市級以上のリーディングスタッフ(チーム)18名(省双創2名、省双創チーム1組、故蘇人材15名)を受け入れ、全分野における市級以上の新規受入人数の30%を占めた。
現在、高新区に所属する医療分野における市級以上のリーディングスタッフ(チーム)が国家級5名、省双創16名、省双創チーム5組、故蘇人材39名を含め計65名である。
公共サービスプラットフォーム建設
江蘇省医療器械検験所蘇州支所が中国国家発展改革委員会の検測能力建設プロジェクトとして認定され、医療用エコーや医療用ロボットといった2つの検測分野が新たに加わり、サービスがさらに向上した。
江蘇省医療器械可用性テストプラットフォームなどの公共サービスプラットフォーム3か所が江蘇省医療器械産業技術イノベーションセンターの機能完備型プロジェクトに入選され、設立支援金計600万元を獲得した。
蘇州科技城病院が市級臨床サービス能力向上プロジェクト5件及び医工連携プロジェクト1件を認定され、臨床サービスが大幅に向上した。
フィンテック支援
100億元規模の区級バイオ医薬(医療機器)マザーファンドや、15億元規模の大健康産業基金が相次いで設立され、全国初の医療機器産業分野向けテクノロジー融資(信用貸付)商品――“融医貸”の提供を開始した。
2021年、高新区がさらに『先端医療機器産業ストロングチェーン三年行動計画(2021-2023年)』を制定・改正したうえで、3年以内での企業数や生産規模の倍増を目指し、
体外診断や医療用バイオマテリアルといった重点産業を中心とした産業誘致の更なる強化や招商チームの専門化を通して、
2021年全区における医療機器及びバイオ医薬関連企業の数を150社に増やす計画である。
と同時に、高度人材の受け入れを強化し、医療関連リーディングスタッフ80名を新たに受け入れることを目標とする。
また、産業チェーンのイノベーション強化のために、臨床省級工程技術研究センター4か所、省級企業技術センター2か所、ユニコーン育成企業2社の設立を目指し、臨床実験能力を向上させ、応用開発の現地化を進めていくとしている。