外資が中国を楽観視する理由とは何か? 蘇州の取り組みを紹介

 今年に入ってから、外資は中国から撤退しないどころか、引き続き中国に力を入れている。外資はなぜ中国を楽観視するのか。

(1)経済の基本面が安定

 海外では、新型コロナウイルスの深刻な影響を受けて、多くの国で経済がほぼストップし、生産、需要、在庫がいずれも低迷する。外資は利益を出せないだけでなく、さまざまな圧力とリスクを背負っている。

 中国に目をやると、感染症の予防・管理のよい傾向が一層確かなものになり、企業活動・生産活動の再開が全面的に推進され、消費も供給も急速に回復している。

 中国経済が見せる非常に強い強靱性が、中でも中国市場のポテンシャルが徐々に発揮されるのにともない、外資の中で対中投資への信頼感と期待が大いに高まった。中国を楽観視することは未来を楽観視することにほかならない。

 蘇州市では、第1四半期(1-3月)の実行ベース外資導入額が42億3千万ドルに上り、同増加率は163.3%にも達して、過去最高を更新した。新規外資系プロジェクトは236件で同9.3%増加し、外資の新規登録額は54億9千万ドルで同68.3%増加した。

(2)産業チェーンが充実

 資本を誘致し、資本をとどめるには、最も優れた産業生態チェーンが必要だ。中国は世界で唯一の国連の工業分類をすべてカバーする国であり、供給チェーンの優位性は明らかで、特に家具・インテリア製品、ハイテク部品、繊維製品・衣料品などの産業は産業チェーンが世界に広がり、中国への依存度が高い。

 中国各地は外資を誘致するため、絶えずチェーンを補強し、チェーンを強くし、チェーンを拡張している。

 たとえば蘇州市は産業チェーン、イノベーションチェーン、人材チェーン、要素チェーン、資源チェーン、資金チェーンを絶えず整え、プラットフォームを構築し、ベクターとなり、環境を最適化して、資本のために資本の成長に適した産業生態チェーンを構築している。

(3)ビジネス環境の最適化

 外資は産業チェーンをはじめとするハード面を重視するが、ビジネス環境などのソフト面をより重視する。

 中国のビジネス環境がどうかは、世界銀行のデータが最もよく物語る。同データによると、中国ビジネス環境の総得点は2016年は63.1ポイントで、その後上昇を続けて現在77.9ポイントになり、世界ランキングは31位に躍進した。

 ここ数年は、各地がビジネス環境の最適化に向けてさまざまな努力をしている。

 少し前には蘇州市が「ビジネス環境最適化の革新的行動2020年」を発表し、こちらも法治と信用、スマート政務、企業サービスなどでより大きなブレークスルーを達成するために努力することが中核だ。

個別の海外移転ケースを見て慌てる必要はない

 外資の投資が引き続き拡大するのが大きな流れだが、一部の企業が持ちこたえられず、中国から撤退したり海外へ移転したりすることもあり得る。

 これは理解できることだ。

 たとえばこれまで高効率の供給チェーンと低コストを重視してきた企業が、このたびの新型肺炎の打撃を受けて、供給チェーンの安全性をより重視するようになり、世界に複数の工場を建設して、エンドユーザーにより接近しようとするケースが考えられる。

 また一部の企業が感染症の打撃を受けて、戦略を縮小し、撤退や移転を選ぶケースも考えられる。

 こうした状況については、理性的に見ることが必要だ。

 資本はみな利益を追いかけるもので、利益のためにやって来るし、利益のために出ていく。出ていこうとすれば、押しとどめることはできないし、個別の企業の撤退について大騒ぎしたり慌てふためいたりする必要はない。

 今必要なことは、より大きな力を発揮して、外資系企業と中国企業のために、より開放的で、公平で、透明性のある投資の舞台を作り出すことだ。

 中国には、改革開放が深化するのにともなって、外資を誘致する力がますます強くなっていると確信できる理由がある。

ソース:「人民網日本語版」