世界大手企業の集合中心地区「高新区滸墅関」のビジネス環境を紹介
蘇州高新区北部の滸墅関(フーシューカン)地区は、日本のイオンモールをはじめ、スウェーデンのイケア、フランスのデカトロンと米国のコストコなど多くの世界大手企業の進出拠点となっている。そのうち最新の進出企業コストコは先月、1.42億元で地区の土地を落札し、総投資額12.66億元の倉庫店を建設する予定だ。蘇州は上海に続き、中国において二番目のコストコが開店する都市となる。これらの投資事例の背景には、蘇州高新区の滸墅関地区が心を込めて構築した「最も快適な蘇州のビジネス環境」があるのが理由だ。ここでは最近の操業再開に関する事例に焦点を合わせながら蘇州ビジネス環境の魅力を紹介する。
蘇州板硝子電子有限会社
蘇州板硝子電子有限会社の中期生産スケジュールは、春節前からすでに決まっていた。しかし春節後の2月4日から生産開始する予定だったが、新型コロナウイルス感染防止のために一斉休業となった。そのおかげで顧客からの納品の催促に対して、会社は心を焦がすばかりだった。2月上旬、滸墅関の企業は操業再開計画が開始したのを知り、蘇州板硝子もすぐさま申請を出したが、生産再開プロセスと感染の防止・抑制策について把握しきれず生産の開始は叶わなかった。その時、一番困っている時に、滸墅関の安全生産監督管理部門(安監部門)の担当係が来訪し生産再開の申請プロセスを手伝い、2月10日に同社は正式に生産活動を再開することができた。
ようやく生産を再開できたが、初日には社内には10人の従業員しか残っておらず、製造現場が極端な人手不足に陥っていた。滸墅関の安監部門は早急に同社と人力資源会社を繋ぎ、タイムリーに10名の現場従業員を募集し、更に新入社員に対して安全生産訓練を実施し工場の再開に向けて協力を惜しまなかった。そして生産再開の4日後、板硝子の生産能力は順調に90%まで回復することができたのだった。
そして今年3月には板硝子は新しい記録を作りだすことになる。2006年に開業して以来、同社の月間最大の生産実績を更新したのだった。現在の受注状況は、4月の出荷数は3月よりも高くなり、5月もフル稼働する予定だという。
シェフラー摩擦産品(蘇州)有限会社(Schaeffler Friction Products Suzhou)
シェフラー蘇州工場の生産ラインは4月に入ってから、フル稼働をし始めた。この生産ラインは、シェフラーグループのアジア初の自動車用CVTチェーンの生産拠点だ。この工場の最大の特徴は高速な全自動光学測定と選別システムを採用していて、1時間に120,000個ものパーツも測定・選別できるという生産効率の高さが際立っていることだ。
同社は救急車メーカーなどにも部品を提供しているため、一刻も早く生産再開が急がれていたが、生産再開に必要な防疫物資が不足していた。そうした中で、滸墅関招商部門がマスクや非接触体温計などを調達し、同社に提供した。また、シェフラー社の一部設備輸入は外資向け投資奨励政策の対象であることに招商部門が気づき、税務関連部門への申請により、85万元の輸入関税を減免することができた。そのほか、同社は勤務する従業員の駐車場問題を抱えていて、すべての空き地を駐車場にしても従業員のニーズに対応できずにいたが滸墅関の交通部門がその状況を知り、同社に20台の駐車スペースを増設提供し同社の駐車場問題の解決に協力をした。
滸墅関地区の政府は、企業ごとに対策を講じ、現場を訪ねてサポートし問題解決まで継続して対処するなど、企業への支援に全力を尽くして支援を行っています。高新区管理委員会副主任、虎丘区副区長兼滸墅関経済開発区党工委副書記の周暁春氏は、「ビジネス環境を最適化することは、対外開放に立脚し、継続的で且つ全体的な取り組みにより、ビジネス環境が整っているからこそ、プロジェクトや人材、物流、資金が継続的に流入する好環境を構築できている」と語った。